1.これまでの医療・看護の環境

日本は世界でも有数の超高齢社会

総務省統計局によれば、65歳以上の高齢者の割合は約29.1%に達し、世界で最も高齢化が進んだ国の一つとなっています。

これに伴い、医療・看護のニーズは劇的に変化してきました。かつては急性期医療が中心でしたが、長期的・慢性疾患や高齢者疾患への対応が求められるようになり、また大規模病院が長期療養の場として機能してきた歴史があります。

 ※例えば日本は他国と比べて病床数が多い傾向があり、長期滞在患者の割合も高いという分析結果もあります。

しかし、病院中心の医療は必ずしも最適なケアとはいえません。終末期や慢性疾患の患者の多くは「住み慣れた場所で過ごしたい」という希望が強く、在宅医療・看護の重要性が高まっています。

2.今後の予測

高齢化の進行と人口構造の変化

厚生労働省や総務省の推計では、日本の人口は今後も減少傾向が続く一方、75歳以上の「後期高齢者人口」は急増する予測です。例えば2040年前後には高齢者の割合がさらに拡大し、1.2人の現役世代で1人の高齢者を支える構造になる可能性があります(※人口ピラミッド予測)。

要介護者数の増加予測

長期介護保険のデータによれば、要介護者数はこの20年で約3.3倍に増加しています(2000年→2024年)。さらに将来の推計では2040年頃に現在の約1.5倍になる見込みで、重度な介護・医療ニーズの増加が予測されています。

社会保障費・医療費の増加

高齢化の進展により、介護費用や医療費は今後も増加傾向が続き、社会保障制度全体に大きな財政負担を与えることが懸念されています。特に高齢者1人当たりの介護費用・医療費の増加幅は大きく、2050年には大幅に上昇するとの政府推計もあります。

3.訪問看護の必要性と重要性

在宅ニーズの高まり

多くの高齢者が「住み慣れた自宅で療養したい」「可能な限り自立した生活を続けたい」と望んでおり、これに対して訪問看護は最適なサポートを提供できます。急性期医療から在宅への転換を支える役割は、今後の医療・看護の主流になる可能性があります。

医療・介護連携の必要性

在宅看護は単に医療処置だけでなく、介護保険サービスや地域包括支援センターとも密に連携する必要があります。訪問看護は医療保険と介護保険の両方を活用しながら、地域包括ケアシステムを支える中核的存在です。

孤立・孤独死・社会的リスクへの対応

高齢社会では核家族化や単身世帯の増加により、孤独死・孤立が社会問題となっています。訪問看護は単なる医療ケアにとどまらず、日常生活状況の把握・精神的支援・孤立予防といった側面でも重要性を増しています。

4.訪問看護に求められること

医療と生活支援の統合的アプローチ

訪問看護は、疾病管理・症状緩和・治療の補助だけでなく、日常生活動作の支援、家族支援、生活環境調整までを視野に入れた統合的アプローチが求められます。

予防的ケアと早期発見

訪問看護による定期訪問は、健康状態の早期異変発見や再入院予防につながります。自宅という生活環境におけるケアは、患者のQOL(生活の質)を維持するうえでも極めて重要です。

医療・介護従事者の連携促進

訪問看護は医師、ケアマネジャー、介護スタッフと常に情報を共有し、チームで患者の健康を支えることが求められます。

5.そのために何をすべきか

在宅医療・看護の体制整備

行政・自治体と連携し、在宅医療に必要な人材・制度・連携体制を強化することが必要です。訪問看護ステーションや在宅医療クリニックとの連携強化は不可欠です。

人材育成・働き方改革

訪問看護スタッフの確保や育成、労働環境改善は重要課題です。専門的な知識と高いコミュニケーション力をもちながら柔軟な対応ができる人材が求められています。

ICT・データ活用の推進

訪問看護では電子カルテや遠隔モニタリングなどICTの活用が進んでおり、これらを積極的に導入することで効率的なケア提供が可能になります。

6.「訪問看護 NEXT HOPE・グリーンエール」が目指すところ

今想う通過点

グリーンエールは、単に看護技術を提供するだけでなく、生活の全体を支える総合サービス提供者としての役割を担います。具体的には、

  • 患者・ご家族の意思を尊重した生活支援
  • 医療・介護・福祉の境界を越えた連携
  • 予防的ケアと重症化予防に重点を置いた支援
  • ICT活用による効率的なケア提供

これらを通じて、地域における訪問看護の価値を最大化し、住み慣れた生活の継続を支える存在でありたいと考えています。